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永井香織

ミュージシャン

KAORINAGAI

応援してくれるみんなが支えてくれた、私と音楽とライブ配信の話

「この2年で自分を取り巻く環境は大きく変わりました。配信を始める前と比べて応援してくれる方の人数も大幅に増えました。また、色んなジャンルのアーティストの方との繋がりも広がっています」

ライブ配信アプリ「Pococha」で常にトップライバーとしてランキング上位に名を連ねているサックスプレイヤー・永井香織さんにお話をうかがった。

—配信歴は何年ですか?

2020年の12月で3年目に入ります。DAGに所属して丸2年ですね。

—武蔵野音楽大学を卒業してからライバー事務所DAGに所属するまでの経緯を教えてください。

大学在学中からプロとして活動を始めました。卒業後はサックスプレイヤーとしてホテルや結婚式等で演奏をしていましたが、正直それだけでは最初のうちは厳しくて…。数年後、アルバイト代わりに音楽教室の講師としても働き始めました。

2018年12月にテレビ番組で配信アプリ「17(イチナナ)」が取り上げられているのを見て、すぐにインストールしました。もともとYouTubeライブで配信したことはありましたが、配信アプリは初めて。最初は配信しながらずっとサックスの練習をしてましたね。…どうしてって? 誰も来ないから!(笑)リスナーさんなんてほぼゼロですよ。

—滝のようにコメントが流れる今の香織さんの配信からは想像もつかないですね(笑)

でもそれもしょうがないんですよ。機材を使った方が良いなんてことも知らないからミキサーもマイクも無し。iPadで伴奏を流しながらそれに合わせて演奏するんですが、リスナーさんに聞こえるように配信端末のスピーカー部分にできるだけiPadを近づけて伴奏を聞かせていました。でもサックスを吹いている私にはその伴奏がほとんど聞こえない、みたいな(笑)。ある時急にエコーを効かせたくなって、簡易的なカラオケマイクを購入。両脚でマイクを挟んでそれに向けてサックスを吹いてました(笑)。めちゃめちゃアナログなやり方でずっとやってましたね。

最初はあまり本腰を入れて配信していなくて、やっても月に数回程度。でも17(イチナナ)で配信を始めて5ヵ月後の5月、音楽系のオフラインイベントに出場し、それに入賞したことで注目が集まった気がします。8月に DAG の社長がたまたま配信を見に来て、その後私のサックスのライブにも来てくれました。そこから「機材をちゃんと揃えた方がいいよ」など具体的なアドバイスをもらうようになって。11月に「うちの事務所に入って別のアプリに移らない?」と誘ってもらい、今に至ります。

—すでにある程度「稼げるライバー」だったと思いますが、事務所に所属することに迷いはありませんでしたか?

実際、アプリをいったん移ると一時的に収入が落ちるのはわかっていました。でも、面白そうだな~ぐらいの気持ちでオッケーしましたね(笑)。と言うのも、当時 Pococha には音楽ライバー(=配信者)がほとんどいなかったんです。特にサックスやってるライバーなんていなくて。音楽ライバーの魅力を伝えていきたいと言う想いもあったので、これはチャンス!と思いました。

—DAGに入ってからどんな変化がありましたか?

所属して2020年12月で丸二年になりますが、応援してくれる方の人数も圧倒的に増えましたし、ライバーさんとの出会いにも恵まれています。

同じ音楽業界とは言えど、やっているジャンルが違うと普通なかなか出会えないものなんです。DAGはミュージシャンのライバーも多数所属していて、私はジャズやファンクをやっていますが後輩にはクラシックをやっている子も多い。他ジャンルの演奏家と出会って関われるのはミュージシャンとしてとても嬉しいです。

また月収は7~8倍に、配信そのものを始める前と比べると約20倍になりました。今のコロナ禍においては、配信と出会っていなければ余計厳しかったと思います。現状、月々十数万の収入のみで暮らしているアーティストの方もいますから。

—収入が増えたことで変わったことはありますか?

一番は仕事が選べるようになったこと。アーティストに来る仕事は内容も条件も様々です。でもミュージシャンあるあるで普通はなかなか仕事が選べない。嫌な仕事、やりたくないこともやらなきゃいけない。だからこそ、自分が本当にやりたいと思える仕事だけをできる今がすごくありがたいです。

また自分の配信そのものに投資ができ、それによってさらにステップアップできていると感じています。具体的に言うと、楽器のメンテナンスには月5万円以上かけています。普通はなかなかここまで出せません。周りを見ても月数千円とか…。でも、楽器に手をかけることで配信の質も上がります。そうそう、楽譜もどんどん新しいのが買えますし。

あとは、周りの方々に恩返しができるのが大きいかな。応援してくださっているリスナーさんへプライズを贈ることもできますし、音楽関係の仲間達に仕事を依頼する時に相場より多めにギャラをお支払いすることもできるようになりました。ミュージシャンって安く使われてしまうことが多いので、自分がお願いするときくらいは…と。そうやって「人」に対してお金を使えるようになったことが嬉しいですね。

—配信の楽しさややりがいはどういう時に感じますか?

常に感じています、毎日!日々配信していて、同じ配信って絶対に無いんですよね。毎回いろんなことが起こる。来てくれる人も変わるからシナリオ通りにはいかないし、色んなドラマが生まれる…。それが楽しいんです。

やり甲斐は、ズバリ数字に表れますね。配信=数字の世界だなと感じています。自分が正しいと思うやり方を信じてコツコツ続けていけば、フォロワー数やポイント、コメント数など色んな数字として目に見えて表れてくるので、それがやり甲斐に繋がります。

また、毎日沢山のリスナーさんが来てくれて長居してくれてコメントをしてくれて、それだけでも幸せを感じるのに「ありがとう」と言ってもらえるのが何より嬉しいです。お礼を言うのはこちらなのに…。今日も配信してくれてありがとう、演奏を聴かせてくれてありがとう、中には「生きててくれてありがとう」という声も(笑)。

—夢や目標を教えてください

アーティストとしてはもっともっと大きなライブハウスでライブができるようになりたいです。前回のライブが100人収容できる会場だったので、200人、300人…と会場を大きくしていけたら。生演奏を聴きに来てくださる方を増やしたい、そもそもそのために配信を始めたというところもあるんです。

ライバー(=配信者)としての夢もやはり、リスナーの皆さんが携帯の中じゃなくて生のサックスの音を聴きに来てくれるようになるのが夢ですね。ライバーとしては道の途中だと思うので、より沢山の方に私を知ってほしい、サックスの音色を聴いてほしいです。そのためにも、今後はさらにグローバルに活動していきたいですね。

—DAG所属を検討されている方へメッセージをお願いします

所属しているのは素敵なライバーさんばかり、その方達と一緒に頑張れるのがまず魅力だと思います。

またトップライバーが新人指導にあたるので、配信上のリアルな悩みにも的確に答え、アドバイスができます。配信に関して病んでしまうライバーさんは多いですが、精神面をしっかり支えてもらえるのがDAGの大きな魅力だと思います。金銭面で条件の良い事務所は他にもあるかもしれませんが、人としてのサポート、心のサポートがこんなに充実している事務所ってありません。

さらに、配信機材について教えたり援助したりしてもらえるのも利点ですね。私自身機材に疎かったのですが、社長のアドバイスをもとに機材を揃え環境を整えて配信したら一気に結果が出ましたから。

一人のミュージシャンの立場から言うと、新型コロナウイルスの影響で演奏の場が失われてしまっている中、配信という形で毎日「おうちでライブ」ができるのは本当に幸せです。コロナ禍でなくとも毎日ライブをするのは難しい。会場を探すのも一苦労ですから。家にいながら毎日ライブが開催できて、何百人、何千人という方々が私に会いに来てくれて、さらに応援までしてくれる…。それを可能にするのが配信なんです。